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グローバル化時代の急速な進行に伴い、中国の大学日本語専攻教育
における異文化コミュニケーション（Inter-Cultural Communication：ICC）能力
の育成も重要視されてきている。
しかし、日本語専攻教育におけるICC能力とその育成に関する体系的な研究はまだ少なく、教育現場でICC能力の枠組みやICC能力を育成するために教えるべき内容という基本的なことについて、まだ不明確な点がある。
本研究では、日本語専攻教育のICC能力をテーマにし、ICC能力の教育に関する基礎研究として、ICC能力の教育内容に注目し、社会的ニーズと大学の教育現場の2つの視点から同能力とその育成の実態を明らかにした上で、両者間の相違点を顕在化させることにより、現行の日本語専攻教育におけるICC能力の育成についての問題点を明確にし、ICC能力の教育内容の確定に向けて提案することを目的として議論を展開する。
本章第1章は、5節から構成されている。それは、それぞれ【1.1】研究の背景·【1.2】研究の目的と視点、課題·【1.3】研究の方法·【1.4】論文の構成·【1.5】研究の意義である。以下、各節について順次議論する。