此度、中日国交正常化50周年を記念すべく、朱偉林と姚建健は、中日の民間交流でのエピソードのある中国人と日本人の両者で、お祝いとして本を書こうと呼びかけました。
その結果、多くの方々からご賛同を頂きました。そして、まもなく、姚建健、朱偉林、董石華、呉蓉婕とベテランジャーナリストの章坤良からなる出版準備委員会が発足したのでした。
みんなの力を合わせて本を書くと言うのは簡単ですが、実際に行うのはさほど容易なことではありませんでした。まずは、原稿の募集が大きなチャレンジでした。出版準備委員会は、東奔西走し、知人に原稿をお願いしたのですが、色々な理由で断られることすらありました。
しかし、それでも、出版準備委員会は諦めず、さらに日系企業に勤めた経験のある人や外事関係者にも幅広く声をかけました。すると、次第に多くの方々から共感を得られたのでした。
生きているうちに、中日民間友好交流のために微力を尽くせれば、非常に光栄――という声が多く聞かれたのでした。
とりわけ、中国と縁の深い日本人の方に原稿を依頼すると、直ちに親密にサポートをいただき、熱心にご協力くださいました。
特に在上海日本国総領事館の米田麻衣領事は、自ら率先して寄稿くださっただけでなく、上海市白玉蘭奨を受賞された数名の日本人の方々にまでお声がけくださいました。また、中国通の伊藤俊彦さんと山本和夫さんは70歳を過ぎているにも関わらず、日本語訳文の校正と添削までを喜んでお引き受けくださいました。お二人は「中日両国のみんなの力でこの本を作ることこそ、中日民間友好の大きなエネルギーにつながる」と語られました。また、「中日の双方が協力し合えば、必ず友好の成就ができるはず」とも述べられました。
お二人は邦訳の添削のために、毎日夜半まで、ご尽力いただきました。時には、明け方まで生徒の宿題を採点するように、一字一句校正し、添削した部分を赤字で修正表記してくださいました。のちに、中国側翻訳者と交流をし、なぜこのように添削したのか、その理由もご説明いただきました。朱偉林秘書長は、お二人が書き直してくださった文章を読むたびに、「お二人が手入れされた文章は、何より味わいが違うし、私たちのレベルとは、今ひとつ異なるものなので私たちも頑張らないといけない」としみじみと語られました。
昨年8月に本を書こうと呼びかけてから、今年4月までにわずか8か月で、日中対訳文で合計約30万字の文集が完成できたことは、奇跡というべきことでした。
この本の寄稿者は、中日各界の29名の方です。したがって、この本は中日両国の人達の友情、知恵と力の結晶で、中日共同の努力で完成したものなのです。これも、中日民間が友好合作で成功した素晴らしい例の一つと言えるでしょう。まさしく、これは、中日国交正常化50周年に捧げる私たちのプレゼントと言えるのです。
最後に、この場をお借りして、本書の寄稿者の皆様に、改めて御礼と感謝を申し上げます。そして、今後も変わることなく、中日民間友好交流のために力を尽くして参りたいと思っております。
出版準備委員会