总的来说,刺绣起初用于表明一个人的阶级地位,随后它逐渐拥有了单纯装饰价值,并融入普通百姓喜爱的艺术形式中。到如今,刺绣广泛地运用于寻常中国百姓的生活里,服装、鞋子、包、钱包、被罩……都可以采用刺绣的元素。刺绣艺术更被列入中国非物质文化遗产中。
概して言えば、刺繍は最初、人の社会的地位を示すために用いられていたが、その後、単純な装飾的役割を徐々に持ち合わせるようになり、一般市民の好む芸術形式に融合されていった。現在に至っては、刺繍は普通の中国人の生活に広く使われており、服装や靴、鞄、財布、布団カバーなどに、刺繍の要素が取り入れられている。更に、刺繍芸術は中国無形文化遺産の一つとして輝きを発している。
概して言えば、刺繍は初期の段階では、人々の階級を示すためのものでしたが、その後、単に装飾としての価値を徐々に持ち合わせるようになり、庶民が好む芸術の形に変わっていったのです。現在、刺繍は一般の中国人の生活において広く使われており、服や靴、鞄や財布、布団カバーなどに刺繍の要素が取り入れられています。さらに、刺繍芸術は中国の無形文化遺産に登録されています。
“用于~”は 「用いられていた」 と訳してももちろん間違いではありません。しかし、原文にある漢字を使って訳しているので、文脈に合わせて参考訳のようにさらに訳語を工夫していくとよいでしょう。“融入到~中”を 「融合されていった」 と訳している部分も同様です。
“单纯装饰价值”の“单纯”は 「単純な装飾的役割」 というように訳してしまうと、かえって理解の妨げになるので、参考訳では訳出しませんでした。逐次通訳では、インプットした情報を再整理し、わかりやすく伝えていかなければなりません。聞いてわかるというのが何よりも大事です。
「~として輝きを発している」 は意訳しすぎの感があります。原文は“收列”の意であり、通常「~に登録されています」 と訳します。学生の感覚としては、「登録されている」 だけでは物足りないと思い、「輝きを発している」 という情報を付け加えたのではないかと思われます。日本語に訳すときは、余計な部分をカットし、訳文を練り上げる必要があります。
中国刺绣及其象征意义
中国刺绣图案繁多,如花、树、果、动物、鸟、人物等,但对它们的理解不能简单化,因为它们反复地出现已经使它们从单纯的图像演变为符号。
中国刺繍及びその象徴的意味
花、木、果実、動物、鳥、人など、中国刺繍の文様は実に多様である。しかし、これらの文様は、繰り返し使われる中で単純な図から一種の記号に変わっていったという経緯があり、簡単には理解できない。
中国刺繍およびその象徴的意味
花、木、果実、動物、鳥、人など、中国刺繍の文様は実に多様です。しかし、これらの文様は、繰り返し使われる中で単純な図から一種の記号に変わっていったという経緯があり、簡単には理解することはできません。
公開講座など、公の場面では通常、「です·ます」 を使います。
中国刺绣符号的三大主要来源
蟠桃:长寿的象征,传说中植物演变成象征符号的绝佳例子之一。蟠桃来自传说中西王母花园中的永生桃树,西王母在绘画中往往带有两个侍女,一个拿着巨大的扇子,另一个拎着一篮桃。拎着一篮桃的侍女麻姑是她最喜爱的身边人,她的形象经常见于中国刺绣。绣有麻姑形象的刺绣作品多作为生日礼物送给女性。
中国刺繍のシンボルに関する三つの由来
蟠桃:伝説上の植物がシンボルに変わった代表的な例であり、長寿を意味している。蟠桃とは、西王母の花園の中にあったとされる古い桃の木のことで、絵画の中では、よく西王母が巨大な扇子を持った侍女と桃の入ったかごを抱えている侍女の二人を従えている姿が描かれる。桃の入ったかごを抱えているのは、「麻姑」という西王母のもっとも気に入った侍女であり、中国刺繍では、「麻姑」の姿が描かれる事が多い。「麻姑」を描く刺繍作品は、特に女性への誕生日プレゼントとしてよく贈られる。
中国刺繍のシンボルに関する三つの由来
蟠桃:伝説上の植物がシンボルに変わった代表的な例であり、長寿を意味しています。蟠桃とは、西王母の花園の中にあったとされる古い桃の木のことで、絵画の中ではよく、西王母が巨大な扇子を持った侍女と桃の入ったかごを抱えている侍女の二人を従えている姿として描かれます。桃の入ったかごを抱えているのは「麻姑」という、西王母の最も気に入っていた侍女であり、中国刺繍では「麻姑」の姿が描かれる事が多いです。「麻姑」を描く刺繍作品は、特に女性への誕生日プレゼントとしてよく贈られます。
ここでは 「気に入った侍女」 ではなく 「気に入っていた侍女」 です。過去のある時点でのことではなく、過去のある一時期のことを指します。一方、「自分の気に入った人物を侍女に選ぶ」 という一文は、その時点においてのことを指します。
莲花:佛教圣花,象征纯洁,出淤泥而不染。莲花不仅是佛教中代表好运的八种符号之一,还是道家八位仙人之一何仙姑的象征,这些仙人是道教传说中的人物。何仙姑神通广大,民间认为她会带来美满的幸福。
麒麟:神话中杂交而成的动物,它拥有牛的尾巴,狼的前额和马蹄。它的出现被认为是好运降临的预兆。在中国神话中,麒麟的出现是好兆头,它只在重要时刻出现。中国人还认为,麒麟的出现预示着伟人的诞生,如哲学家孔子的出生。如今,中国人将麒麟视作带来子孙的吉祥之物。
蓮の花:仏教の聖花、清らかさの象徴であり、「蓮は泥より出でて泥に染まらず」ということわざも存在する。仏教の八つの縁起のよいシンボルの一つであると同時に、蓮の花は、伝説上の道家の仙人である八仙のうちの一人、「何仙姑」のシンボルでもある。「何仙姑」は不思議な力を持ち、幸福をもたらす人物だと伝えられている。
麒麟:神話によると、交雑により生まれた動物とされており、牛の尻尾や狼の額、馬の蹄を有している。麒麟が現れるのは好運の予兆だと考えられている。中国の神話では、麒麟が姿を見せるのは、重要なときだけであり、それは良いことが起こる前触れであるあるとされる。また、中国人は、麒麟の出現は、孔子のような偉大なる人物の誕生を示唆するものであり、現在でも、中国人は麒麟を子孫に幸運をもたらすシンボルだと考えている。
蓮の花:仏教の聖花として、清らかさの象徴です。「蓮は泥より出でて泥に染まらず」ということわざも存在します。仏教には八つの縁起のよいシンボルがありますが、蓮の花はその一つであると同時に、伝説上の道家の仙人である八仙のうちの一人、「何仙姑」のシンボルでもあります。「何仙姑」は不思議な力を持ち、幸福をもたらす人物だと伝えられています。
麒麟:神話によると、交雑によって生まれた動物とされており、牛の尻尾や狼の額、馬の蹄を有しています。中国の神話では、麒麟が姿を見せるのは重要なときだけであり、それは良いことが起こる前触れであるとされています。それゆえ、麒麟が現れるのは好運の予兆だと考えられています。さらに中国人にとって麒麟の出現は、孔子のような偉大な人物の誕生を示唆するものであり、現在でも麒麟は子孫に幸運をもたらすシンボルだと考えられています。
「仏教の八つの縁起のよいシンボルの一つであると同時に~」 はなめらかな表現ではありません。「仏教には八つの縁起のよいシンボルがありますが~」 のようにトピックとして前に出し、続けて 「蓮の花はその一つであると同時に」 と指示語を使って前を受けるようにすると、文の構造がはっきりし、意味が伝わりやすいです。
「麒麟が現れるのは好運の予兆だと考えられている。(なぜなら~だからである)」 のように、中国語では先に結論を述べ、そのあとにその理由の説明が来ることが多いですが、日本語では、先に説明し、「だから」、「ゆえに」、「よって」 などの言葉につづけて結論を述べることが多いです。よって 「それゆえ、麒麟が現れるのは好運の予兆だと考えられています」 という訳になり、このほうが自然な日本語です。
「中国人は、麒麟の出現は~」 は意味がとりにくいです。「中国人にとって麒麟の出現は~」 と訳すと主語がはっきりします。
文脈からそのように考えている主体は中国人であることは明白なので、繰り返す必要はありません。また、日本語では、「~と考えられている」 のように事実を一般化し、客観的に述べる表現が好まれます。
双关语
这是一幅刺绣作品,上面有一只猫在向上望,或者说在试图抓一只蝴蝶。它表达了对于长寿的愿望,因为“猫”同“耄”(八九十岁的老人)音近,而“蝶”让人联想到另一个字“耋”(七八十岁的老人)。
在中国刺绣中,我们往往能看到喜鹊栖息在梅花枝头。喜鹊音与“喜”近,而梅花又与“眉”音近,所以这是一幅象征“喜上眉梢”的图案。
かけことば
刺繍の作品に、一匹の猫が上を向いているものや蝶を捕まえようとしているものがある。これらは、長寿への願いを表している。何故かと言うと、中国語の「猫」と、80~90歳の老人を意味する単語「耄」の発音は非常に近いからである。また、同じく発音が近いことから、「蝶」は、70~80歳の老人を意味する単語「耋」を連想させる。
また、中国刺繍では、カササギが梅の枝に止まっている文様をよく見かける。カササギの中国語の発音は「喜」の発音に似ており、中国語で「梅」の発音は「眉」の発音に近いので、この文様は「喜びで眉尻を上げる」という意味を表している。
かけことば
刺繍の作品に、一匹の猫が上を向いているものや蝶を捕まえようとしているものがあります。これらは、長寿への願いを表しています。というのも、中国語の「猫」と、80~90歳の老人を意味する単語「耄」の発音が非常に近いからです。また、同じく発音が近いことから、「蝶」は70~80歳の老人を意味する単語「耋」を連想させます。
また、中国の刺繍では、カササギが梅の枝に止まっている文様をよく見かけます。この文様が持つ意味も中国語の発音と関係しており、カササギの発音が「喜」の発音に似ていること、「梅」の発音が「眉」の発音に近いことにより、「喜びで眉尻を上げる」という意味を表しています。
参考訳のように 「こと」 でそれぞれをまとめることにより、具体例をはっきりと提示することができます。また、学生の訳は間違いではありませんが、逐次通訳する際には、「こと」 を入れることによって、二つの理由を列挙していることが耳ではっきりと聞き取ることができます。
符号的特点
松树代表长寿和坚定,因为它抵御严寒,松针不会马上脱落。鹿和鹤也有很长的寿命,所以它们是长寿的象征。它们与长青的柏树一道,表达延年益寿的祝愿。马因其速度与毅力多与成功相联系。
シンボルの特徴
松は寒さに強く、簡単には落葉しないことから、意志の固さと長寿を象徴するようになった。また、鹿と鶴は長い寿命の持ち主であるので、長寿の象徴にもなっている。そして、この二つに常緑樹である柏の木を加えて、長寿の願いを表すことが多くある。さらに、馬は、その走りの速さと忍耐力が成功に繋がるとされ、成功のシンボルとなっている。
シンボルの特徴
松は寒さに強く、簡単には落葉しないことから、意志の固さと長寿を象徴するようになりました。また、鹿と鶴は長い寿命の持ち主であるので、長寿の象徴になっています。そして、この二つに常緑樹である柏の木を加えて、長寿の願いを表すことが多くあります。さらに馬は、その走りの速さと忍耐力が成功に繋がるとされ、成功のシンボルとなっています。
この部分はほとんど直すべきところはありません。学生の訳でよかった点は意識的に接続詞を使ったことです。「また」、「更に」 を入れることによって、文と文のつながりをよりはっきりと提示することができます。例えば、“他生病了,今天不能来学校了”という中国語の表現があります。日訳する際に、「彼は病気になりました、今日は学校に来られません」 というように訳すと、子供っぽく聞こえてしまうだけでなく、ロジック関係そのものが薄くなり、聞き手がインプットした情報を再整理しなければならなくなります。接続詞「ので」 を入れれば、前文と後文のつながりがはっきりし、聞き手にとっても理解しやすくなります。一般的に、日本人は表現する際に、中国人と比べて、接続詞を好んで使う傾向があります。ですから、中文日訳する時、意識的に接続詞を入れて表現するようにしましょう。