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明の末期になると、社会は動揺し不安定な中、東南沿海の福建は依然として急速な経済成長を保ち、福州、泉州、漳州は海外貿易の中心となった。特に泉州は梯航万国と呼ばれ、福建籍華僑の足跡は東南アジア各国に及び、人数も大いに増加した。彼らは海外で書院を設立し、儒教の伝統文化だけではなく、媽祖や臨水夫人などの福建の民間信仰をも海外に伝えた。
経済の成長を背景に、福建省には寺院の数と僧侶の人数が増加し、僧侶たちは仏事活働に専念でき、仏学について深く考える時間も保証されたため、名僧の出現が可能になった。昔から「江蘇省浙江省は活仏、福建省は祖師が生まれる」と言われていたが、福建省福清の隠元禅師はまさにその祖師の一人であった。当時、仏教の中で最も急速に発展した宗派は禅宗であり、日本の仏教の中でも最も人気があった。
日本では五山文化が一度禅文化の頂点に達したが、その後の戦国時代から、戦乱のため仏教の発展は一時的沈滞状態に陥った。しかし、中華系移民の増加に伴い、新たな発展力が現れ、華僑によって建設された寺院が増え続けていた。また、多くの福建籍僧侶は日本に渡航し、住職として招聘され、さらに多くの僧侶を日本に渡航させ、仏僧の日本渡来の流れを作りあげたと言えよう。