重苦しい曇り空だが単調じゃない
灰色にもいろんな表情があって
楽譜のように目がそれをたどっていると
ココロが声にならない声でハミングし始める
昨日あんなつらいことがあったのに
目をつぶると今度は北国の海の波音が
形容詞を消し名詞を消し動詞を疑問符を消す
「おれにはおまえが分からんよ」
ココロに向ってアタマはつぶやく
「おれたちはいっしょになって悪魔を創った
力合わせて天使も創った
それなのにおまえはおれを置き去りにして
どこかへふらふら行ってしまう」
空と海を呑みこんで
ココロはひととき
「無心」にただよっている