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穿靴子的猫 またの名 長ぐつをはいた猫

猫吉親方 ペロー Perrault

楠山正雄訳

むかし、あるところに、三人むすこをもった、粉(こな)ひき男がありました。もともと、びんぼうでしたから、死んだあとで、こどもたちに分けてやる財産(ざいさん)といっては、粉ひき臼をまわす風車(ふうしゃ)と、ろばと、それから、猫(ねこ)一ぴきだけしかありませんでした。さていよいよ財産を分けることになりましたが、公証人(こうしょうにん)や役場の書記(しょき)を呼ぶではなし、しごくむぞうさに、一ばん上のむすこが、風車(ふうしゃ)をもらい、二ばんめのむすこが、ろばをもらい、すえのむすこが、猫(ねこ)をもらうことになりました。すえのむすこは、こんなつまらない財産(ざいさん)を分けてもらったので、すっかりしょげかえってしまいました。

「にいさんたちは、めいめいにもらった財産をいっしょにして働けば、りっぱにくらしていけるのに、ぼくだけはまあ、この猫をたべてしまって、それからその毛皮で手袋をこしらえると、あとにはもうなんにも、のこりゃしない。おなかがへって、死んでしまうだけだ。」

すえの子は、ふふくそうにこういいました。すると、そばでこれを聞いていた猫は、なにを考えたのか、ひどくもったいぶった、しかつめらしいようすをつくりながら、こんなことをいいました。

「だんな、そんなごしんぱいはなさらなくてもようございますよ。そのかわり、わたしにひとつ袋をこしらえてください。それから、ぬかるみの中でも、ばらやぶの中でも、かけぬけられるように、長ぐつを一そくこしらえてください。そうすれば、わたしが、きっとだんなを、しあわせにしてあげますよ。ねえ、そうなれば、だんなはきっと、わたしを遺産(いさん)に分けてもらったのを、お喜びなさるにちがいありません。」

主人は猫のいうことを、そう、たいしてあてにもしませんでした。けれども、この猫がいつもねずみをとるときに、あと足で梁(はり)にぶらさがって、小麦粉をかぶって、死んだふりをしてみせたりして、なかなかずるい、はなれわざをするのを知っていましたから、なにかつごうして、さしあたりのなんぎを、すくってくれるくふうがあるのかもしれない、とおもって、とにかく、猫のいうままに、袋と長ぐつをこしらえてやりました。 mlsLuvcO7BGSYbnUlOq4OmgnO76HUoz26WW5W7q7fHCs8aqQufp43HlC2c8DAfAc

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